あらすじ
”鬼の始祖・鬼舞辻無惨と炭治郎たちの戦いは最終局面へ…!! 珠世が身を挺して投与した四種類の薬が、無惨を衰えさせ、追い詰めていく。炭治郎と禰豆子、そして鬼殺隊の運命は!? 永きにわたる鬼との闘争、ついに決着の刻!!
Amazonより引用”
作品情報
作品名 | 鬼滅の刃 |
作者 | 吾峠呼世晴(ごとうげこよはる) |
出版社 | 集英社 |
発売日 | 2020年12月4日 |
掲載誌 | 週間少年ジャンプ |
完了 | 全23巻 |
掲載内容
- 第197話 執念
- 第198話 気づけば
- 第199話 千年の夜明け
- 第200話 勝利の代償
- 第201話 鬼の王
- 第202話 帰ろう
- 第203話 数多の呼び水
- 第204話 鬼のいない世界
- 第205話 幾星霜を煌めく命
レビュー(感想)
前巻(22巻)では・・・
無惨との最終決戦。日の出までの耐久は不可能かと思われたが、珠世の毒が作用し、老けるわ、細胞破壊されるわ、逃げられないわの3重苦を味わう無惨。鬼殺隊員一人一人の攻撃が、無惨を確実に追い詰めていた・・・
といった所で終わりました。
薬により分裂を阻害され、隙のできた無惨に一斉に攻撃を仕掛けます。その瞬間、身体から大きな口が出現し、謎の衝撃波を発する無惨。これも無惨の血鬼術のようです。聴覚から神経系に直接ダメージを与える、なかなかエゲつない攻撃です。最初からやればよかったのに・・・
追い詰めたとは思ってはまた突き離される。人間性はともかく、さすがのラスボスです。しかし、炭治郎をはじめ、柱たちは立ち上がります。無惨は焦れば焦るほど体力を消耗していっています。
そして、炭治郎達の決死の猛攻が実を結び、ついに日の出の時間となりました。
日の光から逃れようと必死に抵抗する無惨。しかし、手や足がもげようと必死に喰らいつく。「これぞ最終決戦!」といった死力を尽くした戦い。本当に見ごたえバッチリです。
死の直前まで追い詰められた結果、無惨はさらに身体を変容させます。また、その過程で炭治郎は無惨に取り込まれてしまいます。
変容した無惨は巨大な赤ちゃんの姿となって暴れまわります。最後の姿が赤ちゃんなのも、無惨の精神性を表わしているようで、不気味ながらもおもしろいですねwww
日の光に焼かれながら、何とか逃げ場を探す無惨であったが、柱だけでなく鬼殺隊員総出で攻撃され、満足に動くこともできません。
そして、ついに日が昇りきり無惨は消滅します。無惨の消滅を見届けた鬼殺隊は、永きに渡る戦いに終止符を打つことができ、歓喜します。しかし、その代償は重い。亡くなった隊員は生き返りませんし、無惨に取り込まれた炭治郎もまた、心肺停止の状態で発見されます。生き残った隊員は喜びも半分に、亡くなった隊員を想い涙も流していた。
そんな中、突如炭治郎が意識を取り戻します。欠損していた腕や目も一瞬で再生し、隊員に攻撃をしかけます。訳も分からず混乱する一同。実は、無惨は消滅する直前に自身の全てを炭治郎に注ぎ、日の光を克服した鬼に変えてしまっていた。
完全に鬼になった炭治郎は、自我を失い伊之助や善逸、義勇を前にしても攻撃をやめません。日の光を克服した鬼を止める手段が無い、そしてよりにもよって炭治郎が鬼になった事に絶望しながらも、鬼殺隊は、必死に炭治郎を食い止め続けます。
そこに、珠世の薬で人間に戻った禰豆子が駆けつける。炭治郎から攻撃を受けながらも必死に「帰ろう」と声をかけ続けます。さらに、決死の説得の中自身の目を犠牲にしながら、「鬼を人間に戻す薬」を炭治郎に打ち込むカナヲ。炭治郎は薬の効果を受け、さらに禰豆子や隊員たちの声を頼りに自我を取り戻すことに成功する。精神世界では、炭治郎を鬼に戻そうとする無惨を完全に置き去りにし、消滅させていました。赤ちゃんフォルムも大概でしたが、精神世界での最期も炭治郎に縋り付く、惨めな最期となりました。
これにて、正真正銘の完全決着です。そして、戦いの負傷から次々と命を落としていく柱達。しかし、亡くなっていった柱達は使命を果たし、満足して最期を迎える事ができました。結局、生き延びた柱は義勇と実弥だけとなりました。
鬼との戦いで、多くの人が命を落としました。しかし、生き延びた者たちは生きてきいかなければなりません。生き延びた炭治郎達もまた、亡くなった人達の想いを背負い、新たな生活を始めていきます・・・
・・・そして時が過ぎ、舞台は現代の日本。平和になった世界では、今まで登場したキャラクターの生まれかわりが生活していました。
それぞれ立場や生活環境が違い、他人になっているキャラクターも多い。しかし、炭治郎達が命をかけて作った平和や命を、それぞれの意思で未来へ繋いでいくのであった。
おしまい
23巻に渡る鬼との戦いも、ついに幕を下ろしました!これまで、本作を何度も読み返しをしましたが、全く苦痛に感じない、安定のおもしろさでしたね。
最終回の展開については賛否両論あるようですが、「来世の話より炭治郎達のその後をもっと見たい!」というキャラへの愛着から出る否定意見がほとんどじゃないのかな。と感じています。個人的には、平和な未来を描写したのは、作中亡くなったキャラが報われる場面を描きたいという、伍峠先生のキャラへの愛情表現じゃないのかな。とか勝手に思ってます。
なにはともあれ、本当に読者にも作者にも広く愛された素晴らしい漫画でしたね!!クズofクズ三銃士 半天狗、無惨、獪岳なんかも、なんやかんや憎み切れないのも絶妙な匙加減でした。
さて、これにて鬼滅の刃の本編は完結となりますが、小説や外伝にて他のキャラの掘り下げもしてくれていますので、まだまだこの世界に浸りたいよ!という方は、是非電子書籍や書店などで手に取ってみてください。
さいごに、筆者の23巻に渡る拙いレビューにお付き合いいただき、本当にありがとうございました!